評価委員

評価委員からの声

サイエンスにおける評価委員という役割

内田憲孝先生
株式会社日立ハイテク
アナリティカルソリューション事業統括本部 事業戦略本部 本部長

応募課題の資料を読み、面接を行い、評価委員会に出席する、これが、ACT-M事業の面接評価委員の仕事です。評価委員会では、まずメンバーで議論を交わし、その後にメンバーが個々に採点します。最後に、その採点を全員で確認しながら、再度議論を行うという流れになっています。企業評価委員に特に期待されるのは、その技術の実用化の可能性でしょうから、私はその点にポイントを置いて評価しようと心がけています。例えば、競合する技術と比較してコストはどうか、その技術の前後の技術は開発されているか、市場の大きさはどうかなどの点です。

資料を読むのには、それなりに時間がかかります。しかし、回数を重ねる毎にコツがつかめてきて、見るべきポイントがわかってくるので、効率よく進められるようになります。心配はいりません。もちろん、自分の専門外の研究開発課題のときには、勉強が必要になります。正確な評価のためには必要なことでしょうし、日本の医療機器、医療技術開発、創薬に関する研究に貢献するために、という思いで行っています。課題は本当に広く様々な分野にわたっているので、必然的に自分の視野が広がり、知識を蓄えることにもなる、という大きなプラスの面もあります。

評価委員会への参加も、自分を大きく成長させてくれる機会です。委員会では、最先端のサイエンスに関する議論が繰り広げられます。それに加わり、交わされる意見を聞くことで、さまざまな視点や立場からの意見について学ぶことができるのです。自分の会社の中だけでは、絶対に味わえない経験になるでしょう。ですから、評価委員の仕事は、自分の専門分野以外の知見を増やしたいという人や視野を広げたいと考える人にも、向いていると思います。

評価委員会には、そうそうたるメンバーが集まっていますから、その前で意見を述べることは、特に、皆が賛成しているときに自分だけ反対意見を述べることなどは、最初は難しく感じるかもしれません。しかし、それにも慣れ、だんだん思っていることが言えるようになります。このような議論の積み重ねで、議論する力が養われます。課題に対するより適切な評価へもつながっていくのでしょう。サイエンスに関わる人にはいろいろな役回りがあると思うのですが、実用化の視点での評価という重要な役回りもあるのだと、気づかせてもらいました。

評価委員をやらせていただいて良かったと、心から思っています。自分が成長することができ、研究開発を評価する力が身についてくることを実感しています。アカデミアの世界において、自分に対する周囲の見方も少し変わったような気がすると言っては言い過ぎでしょうか。AMEDの評価委員になることにより、「評価ができる人」というお墨付きをもらえたように感じています。